はじめまして!このたび編集部に仲間入りしましたトモヨです。高田馬場歴は6年の若輩者ですが、この街が好きです。

初投稿は、まだ右も左もわからなかった頃に居場所を作ってくれたこのお店と決めてました。高田馬場駅ユーザーなら、ほとんどの人が見かけたことあるのでは?

早稲田口から徒歩ゼロ分。
昼間はオープンな立ち食いそば屋「吉田屋そば店」、夜は「入りづらい」と言われがちな寿司屋「幸寿司」の二毛作で知られていますが、今回取材したのは夜の「幸寿司」です。

昼間の写真。こちらは扉が開いてて入りやすいです(笑)

◆安くて美味くてこのボリューム!

店内が見えないすりガラスの引き戸。カラカラと開けて中を覗くと、「いらっしゃーい!」と明るい声が出迎えてくれました。10席にも満たないカウンター席に座ります。

入りづらい雰囲気なのに、中はアットホーム。
ここでいったいどんなお寿司が食べられるのか、一番気になるところですよね。

一番人気のセットメニューは、上にぎり1200円、特上にぎり1600円、特選にぎり2000円。
回らないお寿司屋さんとは思えない価格設定です。
(もちろん単品でもオーダーできます)

初めて来店した人はみんな驚きます。
例えば2000円の特選。大トロ、中トロ、うに、赤貝などの高級ネタがずらりと並び、それらが肉厚で大きい!まずはビジュアルのインパクトから入ります。

2,000円の特選。分厚い!海老はなんと二枚重ねです!

そして一口で食べるのが大変なほどのお寿司をいざ口に運ぶと、鮮度のいいネタとシャリの温度と握り具合が絶妙!トロならば、ほどけるようにとろけ、海老ならばプリッとした食感にシャリがちゃんとついてくる。最後にほのかに残る酢飯の後味はほんのり甘く、これ以上ないほどネタとのバランスがいい塩梅です。

◆「幸寿司」は、創業72年!

幸寿司は、戦後でまだバラック小屋だらけだった1947年/昭和22年に現在の場所で創業。2019年現在で72年になる老舗中の老舗。現在の店主である吉田さんは、御歳65歳です。


なんと、吉田さんの生家はお店の上!(家族5人+住み込みの職人さんと川の字で寝ていたそうです)つまり、生まれた時から一階では寿司屋が営まれていて、物心ついた頃から店の手伝いをするのが当たり前。”あひる”の”あひる”(見習いの見習い)として、働くご両親と当時は二人いた寿司職人さんの背中を見ながら仕事を覚えたそうです。

「手伝いが嫌で嫌でよぉ」と、当時の話をする中で吉田さんは何度も言っていました。
友達と遊ぶ時間もない。外でアルバイトした方がずっと儲かる。でも手伝いから逃げると「ご飯抜き」(笑)。せっかく全寮制の高校へ進学したというのに、休日はやっぱり店の手伝い。繁盛店の息子の運命とはいえ、心中お察しします。。。

多感な時期をひたすらお店の手伝いに過ごした吉田さんが、激動の日々(いろいろありすぎて書いていいのか判断に迷うのもあり割愛しますが、実に”激動”という言葉が似合います。興味がある方はお店で直接聞いてみてください!)を駆け抜け、”あひる”を超えて幸寿司の大将となる頃には、BIG BOXが建ち、手塚プロダクションが高田馬場へ移転・・・という、今の高田馬場の原型が作られた時代に差し掛かりました。この時点で歴史を感じますね。

◆続けるということ

ご結婚され、3人の娘さんにも恵まれた吉田さん。
1989年/平成元年の消費税導入から価格とメニューを刷新し、それ以来ずっと変わらず我々のお財布に優しい価格設定で美味しくてボリューミーなお寿司を提供してくださっています。

45年間寿司を握り続けている吉田さん。

2019年現在、仕入れから仕込み、シャリ炊きに至るまで一人でこなす日々。
近年、仕入れとシャリ炊き担当者がいなくなり、娘さんが炊事のお手伝いに入っているものの、以前より仕事量は増えているそう。
「豊洲市場の仕入先との付き合いは30年来だし、俺がほしいものはわかってるからそんなに苦労はないよ」と言ってましたが、体調を崩したり、土日祝に加え月曜もお休みになったのは、やはり一人になってから。それでもやれる限り続けるという吉田さんは「跡継ぎがいないから俺の代で終わりだよ」と笑って言うけれど、そんなの寂しすぎます!我こそはと思う方はぜひ立候補を。

余談ですが、以前に取材依頼のために立ち寄った際、その場にいたお客さんにご馳走になりました。残念ながら私が思わず奢りたくなるような美女だったわけじゃないです。
彼は幸寿司の二十年来の常連さんで、大好きなお店が取材されることが嬉しくてとのことでした。
「好きなものご馳走するから、その代わりいい記事書いてくれよぉ」
こんなに愛されてるお店。照れくさそうにはにかむ大将。誰かがつぶやくしょうもない冗談に笑い声が溢れる店内。安くて美味しいだけじゃない魅力が溢れているからこそ、たくさんの常連さんがひっきりなしに訪れるのです。

それでも入りづらい??わかります!私もかつてはそうでした。今となっては勇気を振り絞って入ってよかったと心から思えます。

覗いてみたいけど迷ってるそこのあなた!そのスリガラスの引き戸をカラカラ開ければ、あったかい空間が待ってますよ!

SHOP DATA
幸寿司(こうずし)
住所: 東京都新宿区高田馬場2-19-6

営業時間:17:00~21:00
定休日: 土・日・祝・月・年末年始
(時々大将の旅都合で突発的なお休みします)

※早朝から13時半まで営業している立ち食いそば屋「吉田屋そば店」は、吉田さんのお姉さんが切り盛りされています。

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