この記事を書いている段階で既にオープンから8ヶ月が経っており、今さら感がありまくりなのですが、高田馬場新聞は西早稲田に中国茶と薬膳スイーツのお店「甘露」をオープンしました。

2018年10月20日のことです。

写真はお店の外観

開店から8ヶ月が経った6月になって、ようやく本腰を入れて記事を書きはじめました。どうにも自分のことって後回しにしがちですよね。
なんのためにwebメディアやってんのかって話なんですが。

 

まずは、高田馬場新聞がどうして中国茶のお店を始めたのか、ということからお話をします。
既にオープンして8ヶ月が経ってしまったので「で、始めてどうなの?」とか「実際のところ、どうやって始めたの?」あたりの話もしなければならないのですが、それはまた別の機会に譲ります。

 

高田馬場新聞をやっている中で、本当にたくさんの気づきがありました。
最初に感じたのが「暮らしている人」「働いている人」「学んでいる人」、「日本人」に「外国人」。多様な属性の人たちが同じ場所で時間を過ごしているのに、それぞれが交わることがどうも少ないようだ、ということでした。しかも交わらないだけならまだ良くて、なんなら互いにほんのり嫌いあっているようなことを言う人もいたのです。
そんな人たちの声を聞く機会が増える中、交じり合うことの少ないそれぞれのレイヤーに対して高田馬場新聞が縦ぐしのようにぷすりと刺さって、くちゃくちゃと混ぜ混ぜしたら面白いのではないか。そんな欲求が出てきました。

2つ目の気づきは取材をしていくうち、街で「こんにちは」と挨拶を交わす人の数が日増しに増えていくことでした。
高田馬場新聞を始めた2013年12月は、大阪から東京へ移り住んで15年半が経った頃。しかしその15年の間に、挨拶をし合う関係性の人といえば会社の人か取引先の人くらいしかいませんでした。
それが高田馬場新聞を始めてしばらくするうち、1日に何人もの人たちとすれ違い挨拶をするという「新しいご近所づきあい」のようなものがむくむく形作られて行くのを感じたのです。

 

こうして地域メディアの可能性というか「これオモロい」と感じ始めた僕は、街で知り合った人たち同士をまぜまぜしたり、ネット上でしか交流したことがない読者の方々と出会ったりする場を持ちたいと思うようになりました。

そこでまず始めたのが「コミュニティカフェをやりたい」と、そこら中でふれ回ることでした。2017年のはじめごろから、ことあるごとに「場を持ちたい」とふれ回るようになりました。

同時に物件も探し始めます。不動産屋さんの物件情報を当たり、いくつかの物件を下見にもいきました。
しかし実際に店舗の運営を誰がやるのか、そこが固まらないままでは当然何もままならないわけで、今一歩を踏み切れずにいたのです。

そんなこんなで1年近くが経った2018年の3月、とある人物から連絡がありました。
NPO法人永徳堂という、留学生にボランティア活動の場を提供する活動をしている馬 玉峰さん(中国人)です。

馬さんと出会ったのも地域活動の中でした。
そして馬さんが「向井さんと同じようなことをやりたいと言っている留学生がいる」といって紹介してくれたのが、張 钰若さんでした。

張さんは早稲田大学の大学院でコミュニティデザインを学んでいたのだけれど「学ぶだけでなく実践をやりたい」と考え、大学を休学して留学生と日本人が交流できる場所を作ろうと考えていると言うではありませんか。

 

「地域でコミュニティカフェをやりたい」とかいいながら、どうやってお店を回すのかの算段がつかずにいたところにあらわれた「留学生と日本人のコミュニティを作りたい」という留学生。しかも休学中でやる気ありまくり。
これはもうなんとかするしかないでしょう!ということで、急転直下、全てが具体的に動き始めました。

 

ちょうど同じタイミングで妻が薬膳と中国茶を勉強していたことも幸いして、店のコンセプトは「中国茶と薬膳スイーツのお店」に即決しました。
このタイミングで「コミュニティを作りたい中国人に出会う」という、それこそが奇跡的な出来事だと思いました。更に言えば中国茶は、足し湯をしながらゆったりと時間を過ごすためのツール。
いろいろな人にのんびりおしゃべりをしてもらいたい、コミュニティカフェに最適な飲み物だったのです。

本格的に探し出すと、物件も見つかるものです。

想定していたより広い、すなわち家賃負担の大きい物件ではありましたが、張さんと出会ったタイミングで見つかった物件なのだからきっと決めるべきなのだろうと決断しました。

 

店名についても張さんのアイデアで「甘露」にすんなり決定。
甘露とは中国の言い伝えにある天から降る甘い液体のことで、中国茶で最も古いとされるお茶の名前にも用いられている言葉です。日本語の語感も良く、強いて言えば「カンロ飴」として認知されているというくらいで、営業的には全く問題ないだろうと決定しました。

工事中の様子です。
何もないところに棚ができ、カウンターが組み上がっていきます。

ペンキが塗られて

床が貼られていきます。

 

工事を進めながらロゴのデザインを進めました。
私が本業でデザインの仕事をしているだけあって、ここはこだわらないといけないところ。

ここは何か仕掛けをしようと考えまして、高田馬場新聞読者のみなさん、留学生のみんなの投票で決めることにしました。

ネットアンケートにかけたのがこの5案です。

 

アンケートの結果がこちら。

 

結果としてロゴは「を」案に決まりました。
いかがでしょうか。

 

そんなこんなをしているうちに、2018年10月20日のオープンを迎えます。

オープンしてすぐに、高田馬場経済新聞さんでも紹介していただきました。

そのときの記事がこちら

ほかにも高田馬場新聞で紹介していないというのに、高田馬場で知り合った皆さんが紹介してくださいました。
近所のコワーキングスペース「CASE Shinjuku」さんが紹介してくれた記事

そのCASE Shinjukuで働く漫画原作者「猪原 賽」さんが紹介してくれた記事などなど、ほんと皆さんありがとうございます、です。

と、開店前のエピローグはこのあたりで一旦終わりとします。

次回以降
・どうやってお店を始めたか。かかったお金と時間とか、活用した制度とかの話。
・始めてみて実際のところどうか。やってみて初めてわかること。
・売上とかかかるお金とかそういうやつ。
・もうじき1年を前にして考えていること。
などをまとめていこうと思います。

 

あ、あと高田馬場新聞としては甘露で月に2回、バー営業をやったりもしています。
それについては、西早稲田のえびすい特派員が記事にしてくださっています。

早稲田通りから少し入った立地のため、なかなかみつけてもらえないお店です。
読者の皆さんが来ていただけるのが何より嬉しいので、ぜひ昼・夜、いずれでも構いません。ぜひお立ち寄りください。

 


SHOP DATA
中国茶と薬膳スイーツ 甘露
住所:東京都新宿区西早稲田3-14-11
電話:03-6823-5484
ホームページ:https://www.kanro.tokyo

営業時間
11:00-18:00
定休日:木曜日

 

 


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