2018年の初めころにこんな記事をご紹介しました。
「裏方一筋85年のシミズオクトが「高田馬場の歌」をプロデュース」

その記事を公開してしばらくたったある日、とある筋から情報が編集部に届きました。

「記事に書かれている内容に、勘違いしているところがある!」と。

では先の記事のどこが誤りだというのでしょうか。

それがココ。

式さん「東京富士大学さんからお声がかかりまして、さかえ通り商店会と宮田商店会の街(まち)のテーマソングを作っています。先日レコーディングを終えたところで、『『はじまりは⼆等辺三⾓形〜⾼⽥⾺場カミサカソング〜』というタイトルの曲です」

唐突に⾼⽥⾺場がタイトルに押し⼊った感がありますが。。。

式さん「カミサカという坂があるのをご存知ですか?早稲田通り沿いの西友から神田川方面へ下る坂なのですが」

あぁ、あの急坂ですか!!
⾃転⾞で通った時に何度か⼼が折れたことがありますよ。
しかしあの坂にそんな名前があるとは初めて知りました。

式さん「神田川、宮田商店会、さかえ通り商店会の間にあるということで、その頭文字をとってカミサカというのだそうです。この曲はカミサカエリアのテーマソングです。私は現在、大学で数学を勉強していまして、詩の世界観にも数学のモチーフを反映しています」

ここに書いた「カミサカという坂」について、『カミサカは地域の呼称であって、坂の名前ではない』というではありませんか。しかも複数の方からご指摘がありました。

指摘を受け各所に確認したところ、どうやらその指摘は事実だということがわかってきました。

 

しかしなんとも言えないモヤモヤが胸につかえます。

「カミサカ」はあの坂の名前ではない。それはわかった。では「あの坂」はいったいなんという名前なのだ!

ということで「あの坂の名前をハッキリさせるプロジェクト」が立ち上がったのです(高田馬場新聞編集部の中で、ですが)。
かくして検証チームは「あの坂」を訪れました。

西友の角を北へ折れたところ。これが問題の「カミサカじゃない坂」です。
早稲田通りから神田川の方へグググッと下っています。

大雪が降るとスキーヤー・スノーボーダーがどこからともなく現れるという噂もあります。
実際のところ、渋谷の道玄坂よりこっちの方がすごいと思います。

 

で、この坂はいったいなんという坂なのか。
東京の坂でよく見かける坂の看板みたいなやつは見当たりません。

代わりに坂を下ったところに「戸三小通り」と、通りの名前が書いてありました。

坂を下ったところにある真っ赤な外壁のお店で聞いてみることにしました。

こちらは「角家(すみか)」というお店。おでんと鰻を出す店です。

木村さん「え?そこの坂? あぁ、すみか坂って呼ばれてるよ」

えっ?それほんと??始ってすぐにそんなオチ…??

 

木村さん「あ、冗談(笑)。 西友の坂とかそんな感じじゃないの?」

西友の坂。
うすうすそんなような気もしていたのですが、ズバリな展開になっています。

坂を上がったところ、ミャンマー出身の方がやっている「油そば力」に入ってみましょう。

力の店主「うーん、ちょっとわからないネ。向かいの花屋さんとかなら、長くやっているから知っているかもしれませんネ」

 

言われた通り、通りの反対側にある「華やか」へ。

なかなかパンチの効いた見た目の若林さん、わざわざ地図を調べてくださいました。

うーん。名前はついてないっぽいねぇ。

 

もうこの取材、迷宮入りの予感しかしません。

通りをまた戻って美容院へ。美容院ならいろんな人たちが出入りするから情報も集まるのでは。

うーん、知らないなぁ。

その後、近隣のお店に片っ端から入って尋ねたものの

「西友のところの坂」という以外の情報は皆無。

もうなんだか、近隣商店主たちの写真集的なおもむきになってきました。

ね。
それにしてもみなさん、突然取材に訪れたというのに、なんていい表情。

自分の写真の腕がいいのかも、と勘違いしそうになります。

あげくに、さらに1本西には「ポプラのとこの坂」という、これまた名もなき坂があるという、おみやげ付きです。

新宿区のエライ人、この辺の坂に名前つけたほうがいいと思います。

高田馬場新聞オフィス前、ビッグボックスの脇を戸山公園に向かう通りにも。


もうこうなったら「あの坂」を「カミサカ」と名付けてもいいんじゃないの?とも思いますが、そんなわけにもいかないのでしょうかね。

新宿区のヒトか東京都のヒト、この記事読んでたら連絡ください。
ではまた。


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