シミズオクトという会社をご存知でしょうか。
住所で言えば下落合1丁目。西武新宿線の下りに乗ってすぐ、新目白通りが見えてきたあたりで左手に、赤・白・青、3色の人の絵が描かれたこちらのロゴを目にしたことのある人も多いのでは無いでしょうか。
そう、これこれ。シミズオクトさんのwebサイトからお借りしました。
シミズオクトとは、高田馬場で85年の歴史を持つ老舗企業。一言でいうと「イベントを行う上で必要なリソースを、ワンストップで提供できる総合企業」と、あんまり一言でいえていない感が満載の会社です。
取材を申し込んだところ、副社長の清水佳代子さんが直々にお話ししてくださると言うので、あれやこれやと聞いてきました。写真左が清水さんです。
清水さん「舞台美術の設営・施工だけでなく、イベントのプラン、デザイン、警備、運営、演出、映像、清掃といったところまで、一社で総合的にご提供することができるのが当社の特長です。舞台美術だけ、警備だけ、といった形ではっきり分業化されている業界なので、当社のようなスタイルは珍しいと思います」
警備までやるのですね。
清水さん「そのため、当社のロゴマークをライブ会場で警備スタッフの制服で見たことのある人、もぎりスタッフで見たことのある人とか、氣志團万博などイベントのプロデュース企業として見たことのある人など、いろんな方がいらっしゃるでしょうね」
もぎりから氣志團万博のプロデュースまで!!
なんとも取り扱い業務の幅が広すぎて、どこから話を聞けば良いかわからなくなってきました。原点に戻って創業当時のお話から聞かせていただくことにしましょう。
清水さん「創業者の清水芳一は、北海道から知人を頼って東京へ出てきて、神宮球場で六大学野球のモギリを始めました。当時はまだ日本のプロ野球が始まる前、六大学野球が庶民の娯楽の花形だった頃です。そうして働くうちに、現場の人手が足りないということで、彼はバイクに乗って千駄ヶ谷周辺の家を回ってスタッフの手配をするようになりました。電話が一家に一台あるような時代ではありませんから、細かく1軒1軒回って人手を集めたようです。あとそれと字が上手だったらしく、「便所」とか「出口」とか、会場内の案内表示を書いたりもするようになりました。そういった一つ一つのことがスタッフの手配、舞台美術というように、現在のシミズオクトの事業領域へとつながっていったのです」
なんと!こう書くとなんだかおもしろエピソードっぽいですが、そこは先見の明があったと言うことでしょう。
その後ほどなくしてプロ野球がスタート(1934年)。シミズオクトは、後楽園球場での仕事を得るなどして企業規模を拡大していきます。
始まりはスポーツイベントだったのですね。
清水さん「そうです。スポーツは日本国民にとって最も関心の高いイベントでしたから。東京オリンピックもありましたし。その後は日本経済の成長とともにイベントの内容も多様化していきます。それに伴って当社の業務領域も、見本市や展示会、テレビ、コンサートへと幅が広がっていきました」
実はこのあと、シミズオクトが関わってきた日本イベント業界の裏話など、いーーーっぱい面白いお話を伺いまして、これはオモロイ記事になるぞと意気込んでいたのですが、諸般の事情からご紹介することができません。
ま、表に出せないので裏話というわけで。致し方ありません。
高田馬場新聞では過去に、裏話書いたら後に記事をまるっと削除させられた実績もありますし、そうならなかっただけ良しとしましょう(笑)。
しかし会社のお話は、聞いているうちにスケールがどんどん大きく(ここには載せられないですが)なっていき、ふだん高田馬場新聞で扱っている地域密着な話題のサイズ感からぐんぐん離れていきます。
はてさて、裏話は出せないし記事の落とし所はどうしたものか思案していたとき、高田馬場に関わる話題があったのを思い出しました。
そういえば、1年ほど前にスタジオをオープンされましたよね。
清水さん「今、お越しいただいているこの場所がまさにそのスタジオです。BABAGOYA(ババゴヤ)と言います。貸しスタジオとして業界の方に貸し出していますが、そもそもは地域の皆さんに使っていただきたいと思って始めた場所です」
スタジオは2つのスペースに区切られていて、バーラウンジとライブなどで使うスタジオからなります。
スタジオ側は音楽系のイベントの他にもセミナーなどに利用でき、バーラウンジ側はパーティなどの用途が向いています。
清水さん「地域とのつながりという点では、式 紗彩(しき さあや)という高田馬場公式アーティストのプロデュースもしています。メジャー1stCDとして2018年1月24日にミニアルバムのリリースが決まっていて、翌25日には渋谷のeggmanでレコ発ワンマンライブを予定しています」
清水さんの横に座っている女性が式さんです。
しかし高田馬場公式って、、、それ、なんか言ったもん勝ち的な??なんというか自称ほにゃらら、とかいうわけじゃないわけですよね、当然ながら。
式さん「東京富士大学さんからお声がかかりまして、さかえ通り商店会と宮田商店会の街(まち)のテーマソングを作っています。先日レコーディングを終えたところで、『『はじまりは⼆等辺三⾓形〜⾼⽥⾺場カミサカソング〜』というタイトルの曲です」
唐突に⾼⽥⾺場がタイトルに押し⼊った感がありますが。。。
式さん「カミサカという坂があるのをご存知ですか?早稲田通り沿いの西友から神田川方面へ下る坂なのですが」
あぁ、あの急坂ですか!!
⾃転⾞で通った時に何度か⼼が折れたことがありますよ。
しかしあの坂にそんな名前があるとは初めて知りました。
>こちら、カミサカは坂の名前ではなく、地域の呼称である。
との指摘をいただき、訂正いたしました。
検証記事も書きましたので、そちらもご覧ください。
2018.5.24
式さん「神田川、宮田商店会、さかえ通り商店会の間にあるということで、その頭文字をとってカミサカというのだそうです。この曲はカミサカエリアのテーマソングです。私は現在、大学で数学を勉強していまして、詩の世界観にも数学のモチーフを反映しています」
なるほど。それで二等辺三角形か。
聴いてみると、懐かしい感じの親しみやすい曲調に、カミサカ〜というフレーズが耳に残って頭から離れません。
式さんはどんないきさつでシミズオクトのプロデュースを受けることに?
式さん「実は4年ほど前に、シミズオクトが主催した舞台がありまして、そのオーディションに参加したのがきっかけです。歌のオーディションだと勘違いして応募しちゃったんですけどね、実は」
では演技経験は?
式さん「全くありませんでした(笑)!」
全力の勘違い。しかしその勘違いがこうしてデビューにつながるのですから、なんでも行動してみるものです。
清水さん「東京富士大学さんとの接点の話をもう少ししても良いですか? 私たちの業界で働いている、大工とか大道具とか警備員とかいった職種の人たちって、大学へ行きそびれた人がけっこういるんですね。彼らはイベントの世界ではスキルを持っていても、学歴がないわけです。それで彼らを大学へ行かせられればと、東京富士大学さんと話をして、イベントプロデュース学科ができたんです。当社の社員も学位を取得しました」
えぇぇっ!東京富⼠⼤学のイベントプロデュース学科って、そんな経緯でできたんだ。。なにげに今⽇イチびっくりした話題かもしれません(ここには書けない情報除く)。
⾼⽥⾺場新聞を始めて4年になりますが、まだまだ知らないことがあります。
それにしても思ってた以上にこの会社、⾼⽥⾺場との接点が深いということがわかってきました。
今後、⾼⽥⾺場新聞としても⼀緒に地域を盛り上げるネタを仕込んでいく予定をしていますので、そ
ちらもお楽しみに。
式さんの最新CDジャケットはこちら。
FIRST MINI ALBUM『Butterfly Attack』
2018年1⽉24⽇(⽔)Release
QAAQ-10001 \1,667(税別)
式紗彩さんの情報はこちらからチェックできます。
式紗彩 instagram
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DATA
BABAGOYA・クリエイティブスタジオ
住所 新宿区下落合1-4-1 B1F
電話番号 03-3360-7168
FAX番号 03-3360-7169
利用料金 平 日10:00〜22:00 8,500円/時(税別)
22:00以降 10,000円/時(税別)
土日祝10:00〜22:00 9,500円/時(税別)
22:00以降 11,000円/時(税別)
詳細はwebサイトをご覧ください。