苦いのはお好き?~とりあえず呑むビールを”選ぶ”~

「いらっしゃいませ、今日は遅いですね」

ーー「仕事が長引いちゃってね、とりあえずビールちょうだい」

「”とりあえずビール”ですか……ウチには色んなビールがありますけど」

ーー「俺がいつも呑むのはハイネケンって決まってるでしょ」

「そうそう、そうでした。少々お待ちを……あっ!」

ーー「どうしたの?」

「実は、ハイネケンを切らしちゃったんですよ、先ほどお一人で1ダース呑まれたお客様がいまして」

ーー「1ダースって、ずいぶん呑んだもんだね。大丈夫だったの?そのお客さんは。
しかし、まいったなぁ……じゃあ、せっかくだし、オススメのビールをもらうよ」

「そうですねぇ(このお客様は苦めビールが好きだから……)、こんなのはどうでしょう?」

ーー「ペールエール?」

「そうです、ペールエール。イギリス発祥の”ビアスタイル”です」

ーー「なにそのスタイルって」

「ビアスタイルというのはビールを原料や作り方によって分類したもので……」

ーー「ちょっと待って、きいた俺が悪いんだけど、その話、長くなりそうだねぇ(ため息)
長くなる前に”とりあえずペールエール”ちょうだい!
話はそれからきくことにするよ」

「”とりあえずビール”じゃなくて、”とりあえずペールエール”ですね!かしこまりましたー!」

 

<ビールにはスタイルがある>

自己紹介が遅れました。
私、早稲田のcafe & bar「ニュースクール」の高と申します。

高さん

このGWに高田馬場で「大江戸ビール祭り」が開催されるということで、このコラムを書く機会をいただきました。
大江戸ビール祭りの記事はコチラ

 

去年くらいからでしょうか、コンビニやスーパーに色々なビールが並ぶようになったので
「なんか最近ビールの種類がふえたな~」と、なんとなく思っていた方も多いのでは。

実際、私もお店に立っていると
「次々と見たことがないビールがふえているけど、何がどう違うのかわからないよ」
という会話をよく耳にします。

そこで!

・いつも呑みつけてるビールもいいけど、たまには冒険してちょっと違ったビールを楽しんでみよう!
・そして、GWに高田馬場にやってくる「大江戸ビール祭り」をもっと楽しむ方法、教えちゃいます!

このコラムでは、この2点の話題を中心に書いていこうと思っています。

そんなわけで、今回は”ビアスタイル”のお話。

居酒屋さんにはいると「とりあえずビール」なんていうのが定番の文句ですが
一口にビールといっても、様々な”ビアスタイル”があります。

”ビアスタイル”とは一言で言うのは難しいのですが、原料や製法によってビールを分類したもので
『ビアスタイル・ガイドライン』(クラフトビア・アソシエーション発行)によると
なんとその分類は100種類以上にも及びます。

その中にはもちろん、みなさんが普段よく呑まれるような「黄色くて苦くてゴクゴク」なビールもあれば
正反対の「黒くて甘くてちびちび」呑みたくなるようなビールもあります。

それだけビールというお酒は地域性、歴史性、はたまたブルワー(作り手のこと)の独創性が反映された
ものだといえるのです。

もちろん、全ての”ビアスタイル”を知る必要はありません。
とりあえず「ビールには100種類以上の”ビアスタイル”がある」ということを覚えておいてください。

「大江戸ビール祭り」でも、多くのスタイルのビールが呑めるかと思います。
知らないと呪文のように感じるビアスタイルも、ちょっとだけ予習しておけば
お気に入りの一杯を見つけやすくなると思いますよ。

 

<まずは自分の好みのビールを探そう>

ビールが好きな人嫌いな人、その好みが最初に別れるところは「苦味」ではないでしょうか。

そこで、苦味OKという方と、そうではない方に分けて、
それぞれにオススメのビアスタイルをご紹介してみたいと思います。

「苦味OKどんとこい!」な人が呑むべき”とりあえずビール”

 

 

1)ピルスナー

世界中で呑まれているビアスタイル、私たちが普通に想像するようなビールです。
主にドイツやチェコで発展したスタイルです。
スッキリとした呑み飽きのしないビールが多いのが特徴です。

ピルスナー

 

2)ペールエール

ピルスナーがドイツやチェコの代表とすると、こちらはイギリス代表のビアスタイル。
ペールとは「淡色」の意味。
ピルスナーと比べると香りが複雑で、柑橘系や、松ヤニ、ハーブに似た香りが楽しめます。
※実際にこれらを原材料として使っている訳ではありません。

ペールエール

 

3)IPA

インディアペールエールの略称で「IPA」
ペールエールを呑んでみて、もっと苦味が欲しいなと思う方はこちらをどうぞ。
ただし、アルコール度数が高いことが多いので、飲み過ぎ注意!

IPA

 

 

「苦味はちょっと……」な人が呑むべき”とりあえずビール”

1)ヴァイツェン

小麦を使ったビール。
小麦由来の口当たりの柔らかさと、バナナやクローブの香りが特徴で、
苦味は抑えられています。
ヴァイツェンからビールにハマる人も多いです。(私もそうでした)

ヴァイツェン

 

2)フルーツビール

ぶどう、りんご、パイナップルにオレンジ、様々なフルーツを原料に使用したビール。(画像はリンゴを使用したもの)
苦味を抑えたバランスのビールが多めです。
ベースとなるビアスタイルとフルーツの組み合わせをデザインするのが、
ブルワーのウデの見せ所!(例:ペールエールをベースにしてパイナップルを添加するなど)
その土地の特産のフルーツが使われている事も多く、全国のビールがあつまる「大江戸ビール祭り」のような
イベントでは多数のフルーツビールが並びます。

フルーツビール

 

ここにあげた5種類のビアスタイルは、人気のスタイルなので、大江戸ビール祭りの会場でも多くみられると思います。

いかがでしょう、お気に入りのビアスタイルは見つけられそうですか?

同じビアスタイルでも、ブルワリー(醸造所、ビールを作っている会社)が変われば
味のバランスや方向性も大きく変わります。

まずは自分の好きなビアスタイルをみつけて、色々呑みくらべてみると「もっと苦いのがいい」とか
「華やかな香りのビールが呑みたい」とかいろいろな欲求が出てくると思います。

そうなったら、あなたも立派なビールファン。

もっと多くの知識を得たいと思ったらぜひ「クラフトビア・アソシエーション」(http://www.beertaster.org)の
「ビアテイスター」資格を取得してみてください!
きっと、あなたの「お気に入りの一杯」を見つける手助けになると思います。

さて、次回は実際に「大江戸ビール祭り」にいく際、知っておくと便利なことを書いていこうと思います。
それではまた!

※画像のビール銘柄=大江戸ビール祭り出店ビールではございません。
画像にあげたビールは、New schoolで取り揃えていますので、気になったビールがあるかたはどうぞお越し下さい!

 

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高 浩嗣
Hirotsugu Taka

北海道生まれ。
早稲田大学中退。
2015年、クラフトビア・アソシエーションの認定資格、ビアジャッジを取得し
飲食業のかたわら、ビールコンテストで審査員を経験。
ビールとキンミヤをこよなく愛する。
座右の銘は「カレーうどんを食べれば大抵の病気は治る」

 

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大江戸ビール祭りの詳しい情報はコチラから
大江戸ビール祭り2016公式ホームページ: http://oedo-beer-festival.jp/
Facebookページ: https://www.facebook.com/oedo.beer.festival
Twitter: https://twitter.com/oedobeerfest (@oedobeerfest)

 

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SHOP DATA
カフェ&バー NEW SCHOOL
住所   東京都新宿区西早稲田2-1-17
電話番号  03-3232-2626
営業時間 月〜木:11:30~25:00
金 :11:30〜27:00
土 :15:00〜25:00
定休日  日・祝

ランチ営業、夜10次以降入店可


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