さかえ通りにいついっても満席の飲み屋があると教えてくれたのは「克ッ」のごっつさんこと金澤さん。

もうこの写真も何年前のものでしょうか。
それだけこの高田馬場新聞も、歴史を紡いで来たということですね。

しみじみします。

 

その金澤さんや韓国料理の「味音(みそり)」のオーナー、趙さんから「やえ」という店の存在をかねてより聞かされていました。まぁ一度行ってみろと。

 

で、行って来ました。行けと言われてから行くまでに1〜2年かかりましたが、高田馬場には気になるお店がたくさんあります。なのでそれくらいかかってもしかたありません。

 

というわけで「やえ」です。

さかえ通りを少し入ったあたり。

洋包丁があるビルのさらに奥。

いわゆる昔ながらのスナックや飲み屋が入ったビル、といった佇まいです。

 

個人的にはこういう感じのお店に勢いで入ったりしないタイプなのですが、友人と飲む機会があった時にふっと思いついて行きました。

すると、けして広くない店内はお客さんでいっぱい。かろうじて1つだけのテーブル席があいていたので、なんとか入ることができました。

ママさんと話す流れでなんとなく「高田馬場新聞ってのをやってまして」なんて話になりました。初めましての人に自分から名乗ったりすることは少ないのですが、すっと絶妙な間合いで距離を詰めて来るママさん。

あ、この居心地の良い感じが、この店のウリなのかな。とても気楽な感じの店です。それからはだいたいギリギリ最後の席に座れたり、座れなかったり。常連さんで賑わっているんだけど、フラッと入ってくるお客さんもいる。

 

で、そういえば取材してないわ、と思い、改めて取材に行ってきました。

ちょうど日替わりのお惣菜を仕込んでいるタイミングでした。

高田馬場新聞「やえ、って店名はお名前ですよね? 本名ですか?」

やえさん「はい。本名です。2012年の11月にオープンしてもうすぐ6年になりますね」

やえさんは毎日この家庭用のコンロで日替わりのお惣菜を4品、用意しています。
この4品はカウンターに置いてある、いわゆる「おばんざい」のスタイル。
それ以外のメニューは、注文が入ってから作ります。

 

高田馬場新聞「どういったいきさつで、ここでお店をやることになったのですか?」

やえさん「まったく飲食業の経験とかはなくて、それまでは調布で会社員をやっていました」

聞けばやえさん、かつては保険会社のセキュリティ部門に在籍。
しかしある日、いつか定年が来ても食べていけるように、なにか商売でもやろうかと思い立ちます。
それでまず考えたのがエステでした。しかし、年齢的にエステティシャンは体力が心配で却下。
同じ会社に男性が何千人もいて、エンジニアで疲れているからマッサージがいいかな?などと考えを巡らせます。するとまわりから「スナックでもやってみたら」と言われてスナックを見に行ったり。思いは巡れど答えは出ず。

やえさん「そんなこんなでとりあえず会社を辞めたのだけど、3月に退職した段階では、まだ何をやるか決めてなかったんだよね」

そういう起業ストーリーもあるんですね。
まぁそれから約半年、あれやこれやするうち飲食にしようということになって、馴染みもあるし見込み客は大量の同僚の男性社員がいるしというので調布で物件を探したやえさん。
しかし「5坪」という条件にあう物件がなく、1駅でも動くならどこでも良いや、というやたら軽いタッチで探したエリアは埼玉・神奈川・千葉に広がります。ちょうどその頃、5坪の物件を使って店舗展開を進めていたチェーン店があったらしく、希望に合いそうな物件は軒並み売り切れ状態。
それでたどり着いたのが高田馬場だった、という。

なんと、そんなざっくりした感じでもいいんだ、と思ったり、でもお客さんついてるしアリなんかなーとか、これからお店を始めようと考えている高田馬場新聞的には思うところがいろいろあります。

話を聞いているうちに、なすとひき肉の味噌炒めができあがってきました。

高田馬場新聞「こんなに奥まったお店だと、オープンしてからお客さんがつくまでに時間かかったんでは?」

やえさん「それがね、ここってビルの中で飲み歩く人が多いんですよ。だからオープン前に工事してる最中から『いつオープン?』なんて声をかけてくださる方がいらっしゃって。おかげさまでオープンからお客様がゼロって日はないんですよね」
高田馬場新聞「なるほど。そういう利点があるわけですね。反対に今だと、常連さんばっかりが集ってるってイメージですけど」
やえさん「いえいえ。ふらっと入ってくる人も結構いらっしゃるんですよ」
不思議な磁場を持った店のようです。

いいにおいがしてチキンが続々と揚がって参りました。

高田馬場新聞「そういえば、少し前まで娘さんと一緒にやっておられましたよね?」

2017年12月まで「やえ」にはやえさんの娘、なっちゃんがやえさんと共にお店に立っていました。
やえさんはそもそも1人でお店をやるつもりだったのですが、なっちゃんが大学を卒業するタイミングと重なり、一緒にやってもいいよということで二人でお店をオープン。
5年が経ったところで、いわゆる普通のお勤めもしてみたいということで、企業に就職したそうです。

高田馬場新聞「高田馬場のいろんなお店の人から噂を聞いたりします。仲良くしてるんですね」

やえさん「私ね、本当は人見知りなんですが、それでも頑張って自分からぐいぐい行くタイプなんです。なっちゃんと二人でやっている頃、土曜日は他のお店に行く日って決めていて、他のお店を色々回ったんです」

お店をやっている人たちって、そうやって相互に繋がっている印象があります。
いわゆるご近所づきあいですよね。

これが会社勤めになるといきなりなくなるの、なんでだろう。
働いている人たちだって、近所同士のつきあいがあって良いよね。

ゴーヤチャンプル。

家で食えそうなおかずでさくっと飲める、この感じがいいんだろうな。
やえさんも「すごくおいしいものが食べたければ、どっか別の店に行ってくださいって感じでやっています。でも野菜は良いものを使っているので、からだに優しいおかずでちょっと飲んで、楽しい時間を過ごしてくれればいいなって」と。

あとはやえさんは焼酎が一番好きで、ワインも好きだそうで、いただけるならなんでも飲みますとのこと。

 

しかし1つだけルールがあります!

21時前の下ネタげんきん! というルールです。

宵の口からよっぱらって、思わず下ネタなど言ってしまったら・・・・

ぶたさんに「げんきん500円」を没収されます。

 

じゃぁ、500円払ったら下ネタOKなの??
と聞きたくなりますね。

やえさん「下ネタでもなんでも楽しいお酒ならいいですが、『太ったんじゃない?』なんて意地悪く言われると私も楽しくないので、そういう方にはもう来なくていいよっていっちゃいます(笑)」

 

こんな感じのお店が好きかもって思ったあなた、とりあえず一度行ってみるといいですよ。

 


SHOP DATA
酒Dining やえ
住所:東京都新宿区高田馬場3-1-4
電話:03-6908-8386
営業時間:17:00~23:00(LO 22:30)
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