早稲田大学に落ちた○年後、縁あって高田馬場に住むことになり4年が経ちました。
目先の食欲に押されて写真を忘れがち。
レビューサイトでのクチコミも多く敢えて語るまでもないお店ですが、語らせてください。
アジフライの名店「酒肴 新屋敷」です。
と言っても私が一番好きなのは「だし」です。
初訪問の時の「鴨とセリのおひたし」に心を鷲掴みにされてから、もう虜です。
おひたしはもちろん、小鉢の一品一品、それぞれ何のだしかわからないのですが、たぶん全部違ってとにかく全部美味しい。
新屋敷で何か汁気があったら、一滴足りとも残すべからず。家訓にしたい。
だし→日本酒→具材→日本酒…で延々と飲めます。
決して濃い味ではないですが旨味がしっかりとしていて、野菜等の具材がこのおだしと渾然一体、新たな美味しさが生み出されています。
写真のおひたしは鰹節が粗削りでまた美味しかったです。
常時決まったものがあるわけではなさそうなので、これは必ず!という注文ができないのですが、その時々の出会いを楽しみにするのもまた一興。
日本酒も常時8種類くらいあり、産地と味の一言コメントがあるので選ぶのも楽しくいつも何を飲もうか目移りしてしまいます。
一合の場合はお猪口を選べるのもささやかな楽しみです。
2つ目は「牡蠣バター」
これも本当に牡蠣とバター(と醤油?)で出来ているのか疑いたくなるほど美味しい。
季節限定のものとは言え、これも看板メニューになってもおかしくないのではと思っています。
火の通し加減が絶妙で、生牡蠣のごとく柔らかく、コンフィのようなまったりとした濃厚さ、そして揚げたてカキフライのようなジューシーさ。
一粒で何重もの美味しさが襲ってきます。熱燗とあわせると、旨味の洪水でため息しか出ません。
お刺身や焼き物などのお魚も美味しく、お刺身は身がしっかりしていて特に鮪が絶品です。
焼き魚は炭火焼で、パリッとした皮にジューシーな身。文句の付け所がありません。
最後にアジフライのことも。
アジフライが有名なお店ですが、私が初めてアジフライを食べたのは2回目の訪問でした。
今はおまかせコースのみになっていますが、初めて訪問した時はアラカルトメニューがあり、そのどれもが美味しそうだったこと、お店のイチオシらしいアジフライも気にはなるものの、1人で4切れは多いし、アジフライ単品に千円オーバーはなぁ…と日和って断念してしまいました。
味を知った今はお値段も納得、量も1切れはそのままでも食べたい、塩とレモンは正義、ソースも王道、梅醤油おろしは外せない、とやっていると1人でもあっという間に4切れが終わっています。
またこの梅醤油おろしが絶品で、梅醤油単品では正直そこまでのインパクトはないのですが、大根おろしと合わせた瞬間、調味料を超えた何か別の次元に入ります。これだけでもお酒が飲めます。
初めて食べた時は、これがおろし醤油だと認識できず、オリジナルソースだと勘違いしていました。是非何も知らない人に食べさせて、何だと思うか聞いてみたいです。
アジフライはよく見る尻尾のついたカリッとしたタイプではなく、一切れの身が分厚くふわっとしています。
衣も粗めのものが薄く、ただし全体にしっかりとついており絶妙なバランス。
アジフライなんだけど、アジフライでない、とにかく一度食べてみて、としか言えないです。
今回の自粛期間中にアジフライのテイクアウトにチャレンジしてみましたが、自分で揚げたアジフライは、衣のサクっと感なのか、身のふわっと感なのか、とにかく何か物足りない。
素材は美味しい味がするだけに、ここまで違うものなのかと、改めてプロの技を感じました。
暫くは夜の営業も制限があるようですが、それでも是非、夜に行ってください。
出来ればあまりクチコミを読まずに、この文章のことも忘れて、先入観のない状態で味わってみてほしいお店です。
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SHOP DATA
酒肴 新屋敷
住所:新宿区高田馬場2-2-15
営業時間:
ランチ 火〜土 11:30〜売り切り
ディナー 月〜土 18:00〜22:00 (LO)21:00
定休日:日曜日
TEL.03-6205-6552
ホームページ:http://www.shuko-alayashiki.com/
現在夜は時短営業中です。