西早稲田3丁目の「焼鳥・鳥でん」(高田馬場新聞)
(撮影:松平綾)

お世話になります。
西早稲田支局特派員えびすいがお伝えします。

高田馬場で焼き鳥っていうと、鳥やす本店、支店が思い浮かびますか?
それとも、比較的最近にできた鳥貴族とかやきとりセンターでしょうか。

今回紹介するのは、高田馬場駅前から早稲田通りを早稲田大学方面へ左側を歩いて、馬場口交差点を渡ってすこし歩いたところ、西早稲田3丁目にある「焼鳥・鳥でん」です。

この店を知ったのは、界隈の吞み友だちからです。

「なんかわかりにくいところに焼き鳥屋さんができたのを見つけて一人で行ったんだけど、あまり期待してなかったのに焼き鳥がおいしくて、店主がとてもいい人で日本酒が大好きらしくて嬉々としておいてある銘柄をすすめつつ日本酒の話をしてくれて・・・」って話をまず聞きました。

ふーん、そんなところに店があったっけかと思いつつ、しばらくして高田馬場にある話題に上る店はたいてい制覇している、界隈の別の吞み友だち夫婦にその店の話をふったら「えびすいさん、あそこは行った方がいいです。めちゃうまです。」って言われて、そのうちにこのご夫婦に一緒に行きましょうって誘われ行ったのが最初です。

高田馬場ではどんどん飲食店がオープンしますが、ここまで強烈な地元民の口コミが発生して、あげくは一緒に行きましょうとまでになる店って、そうそうないです。

なんでこんなに旨いのか考えてみた

今まで普通に食べてきた料理、こんな感じですねと味わってきた料理、たまにそんな料理が「え、これってそんなに旨かったっけ」って驚いた経験ありませんか。

いままでさんざん食べてきた料理が、素材やちょっとした料理法の工夫、雰囲気で感動するほど旨く感じた経験です。

味は主観的な感想も含むので、なかなか難しいのですが鳥でんで焼き鳥を食べたら大概の人はそう感じると思います。

一緒に来た人と目を合わせて、おもわず「美味しいねっ」ってうなずき合うような。

西早稲田3丁目の「焼鳥・鳥でん」(高田馬場新聞)
※写真はある日の5本セット。真ん中がはつ、左上から時計回りにさえずり(気管)、ささみ、だんご(つくね)、かっぱ(薬研・胸の軟骨)。もちろん一本一本バラでも注文できます。

 

なんで旨いんだろう。

はじめて鳥でんに行ってからいろいろ考えてみました。

その後も折につけ食べに行き観察してみました。

 

  • 旨い理由その1
    (比べるのも失礼な話なのですが)
    一般的な居酒屋さんや焼き鳥やさんの焼き鳥は、注文するときにタレか塩かを聞かれます。
    しかし、鳥でんでは聞かれません。
    それぞれの部位を串打ちし、焼いて食べるときに最善な味付けが、肉の部位ごとに施されてでてきます。
    なので店主曰く、つくねしか(味付けで)遊ぶところがないんです、とのこと。
  • 旨い理由その2
    (またまた比べるのも失礼な話なのですが)
    一般的な居酒屋さんの焼きとり5本盛りは、一度に皿に盛られて出てきます。焼き鳥を味わう店でないので仕方がないですが、最後の5本目を食べる頃には冷めてしまってます。
    鳥でんでは、5本セットも8本セットもタイミングを見計らって一串ずつ焼かれて出てきます。
    焼く順(食べる順)も考えられていて、本数が多いと途中で口直しの小鉢がでたりします。
  • 旨い理由その3
    すべては焼き鳥のために最適化されていること。
    カウンター4席、テーブル4席×2の計12席ですが、これは店主が客を見ながらタイミングを計って焼いて出すのを考えた上でのキャパでしょう。
    そして飲み物は全て、唎酒師でもある店主が焼き鳥に合う日本酒を中心にセレクトした銘柄がそろえられています。
    焼き物は焼き鳥オンリー。焼き魚とか揚げ物とか余計なものはなく、サイドメニューも焼き鳥と相性のいいメニューです。

さてそんな鳥でん、「店主」と書いてきましたがその店主はこちら、小堀裕平さんです。

西早稲田3丁目の「焼鳥・鳥でん」(高田馬場新聞)
(撮影:松平綾)

料理人、というか体育会系ノリのてきぱきとした口調、そしてからからと笑う笑い声はシンプルで落ち着いた店内の雰囲気ともなぜか合っています。

小堀さんは都内の料理店で修行し、2015年11月にこの鳥でんをはじめました。

鳥でんの名刺にも書かれている文言ですが、この場所、「かなり隠れています」。

そんな場所で、オープン当初は奥さんと二人でお店に立ってらしたそうです。
(お子さんができて現在奥さんの代わりにアルバイトの方がはいっています)

最初は、立地のせいもありどうなるものかと不安だったのが、最近は口コミでおいしさが徐々に伝わり、常連さんもできて、お客さんが増えてきたということです。

そうだ、思い出したんですが、いつだったか、小堀さんかっこいいことおっしゃってました。

たしか、鶏肉の仕入れの話とかしてたときのことです。

「鶏を絞めて解体したらタダの鶏肉じゃないですか、それに串を打ち込むことで俺がもう一度いのちを吹き込むんです(だから旨いんですよ)」って。

なにかっこつけてるんですかって突っ込みたくなる台詞ですが、これ、実際に小堀さんが串打ちした焼き鳥を食べたら、もしかしたらそうかも知れないって思いますよ。

たぶん。(個人の感想です)

西早稲田3丁目の「焼鳥・鳥でん」(高田馬場新聞)
※つくねを焼いているところです。メニューにはだんごと表記しています。ちょっとした隠し味が入っていて美味しいです。

よく、店がはやりすぎたら行けなくなるからメディアで紹介したくない、という有名人がいますがその感覚がよくわかります。

席数が少ないのもあって、グループだと店に入れないタイミングがあったりします。
週末行くには予約をいれたほうが確実です。
2〜4人のグループで行くとき、当日だったら空いてるか事前に電話で確認した方が良さそうです。
遅い時間も、ゆったりと焼き鳥を楽しむためには22時頃までにはお店に入った方が吉です。

西早稲田3丁目の「焼鳥・鳥でん」(高田馬場新聞)
(撮影:松平綾)
※一品料理のうちのレバーパテ。臭みがないので、レバーが苦手な人も美味しく食べられると思います。丁寧に下処理されていることがわかります。

そして場所なのですが、本当に隠れてます。

西早稲田3丁目の「焼鳥・鳥でん」(高田馬場新聞)

早稲田通りを早稲田大学の方向左側を歩いて行き、明治通りを越えたら赤いたこ焼きバー「おまえまん丸やん!」が見えてきます。
そこの脇の路地を曲がって下さい。

写真のように、看板が3つ並んでいるところを左です。

この写真通り、沖縄料理の次郎亭、蕎麦の浅野屋と鳥でんの看板が並んでいます。
少し歩いた右側の建物の半地下に黄色い次郎亭の看板が見えてきますので、そのすぐ手前です。

なんかね、高田馬場界隈、鳥でんブームが来そうで怖いです。
ふらっと行けなくなるかもという怖さ。

 

まあでも、ここの焼き鳥を食べてみて下さいよという気持ちで胸一杯です。

 

西早稲田支局特派員 えびすい
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
SHOP DATA
焼き鳥 鳥でん
住所  東京都新宿区西早稲田3-27-4
第一キャラット河俣 地下一階
電話番号 03-6380-3727
営業時間
[月〜金] 17:30~24:00(L.O.23:30)
[土・日・祝] 17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日  火曜日


PAGE TOP