高田馬場駅から早稲田通りをず〜っとず〜っと西。
マルエツプチを超えてから神田川方面へ曲がった戸塚公園の北東側に、陶芸空間「白紙舎」はあります。

公園の脇にひっそりと

パッと見た感じはただの民家、はたまた公園の管理事務所のような佇まい。
まさかこんなところに陶芸のできる場所があるなんて。

 

しかし、あるんですね。これが。

電気窯

入り口を開ければそこには熱風を放つ電気釜、もとい電気窯がお出迎え。
おじゃました前の晩に焼いていたということで、その余熱で翌日の昼間でもまだまだ熱い。

クーラーがついていてもちょっと汗ばむほどです。

 

この陶芸空間「白紙舎」、高田馬場在住の陶芸愛好家K氏(本名でご紹介したいところですが、ご本人の希望によりイニシャルで)によって開設されました。
K氏は高田馬場の生まれで、早稲田・高田馬場を日夜飲み歩いている文化人。なかでも日本文化を広く知らしめるための活動にも取り組んでおられます。

そんなK氏、陶芸家を目指す若者たちの多くが大学で陶芸を学んだのちに一般企業へ就職し、それまで学んできたことと関わりの薄い仕事に就くことに疑問を感じていました。

たとえ運良く陶芸に関わる仕事に就けたとしても、作陶に打ち込むことができない仕事環境であったりして、志半ば、というよりは志を描くその前に脱落していく人たちがあまりにも多い現実。

陶芸が他の芸術と違うことの一つに、「窯」という大きな初期投資が必要な点があります。それがネックとなって、陶芸家の卵たちは孵ることなく消えていく。

その現実に対して一石を投じたい、そう考えていたそうです。

そんなある日、K氏の頭の中の電球がキラン!と点ります。
「陶芸家を目指す若者たちのための場所を、自分が作ればいいのだ!!」と。

 

そこで、使っていなかった空き家を改装して「白紙舎」を2017年3月にオープン。若き陶芸家たちが、陶芸を楽しみたい人たちに対して指導をする代わりに、それ以外の日は自由に作陶に打ち込むことができるという、素敵ぎるシステム。

まさに「白紙」な、若き陶芸家(の卵)たちのための場所を作ったのです。

半端ない私財の投じっぷりですが、ご自身も作陶に打ち込める場所ができてまんざらでもないご様子。

入口脇に看板が

それがここ「白紙舎」。

白紙舎では、メンバーになると金土日の3日間のうち好きな曜日を選んで、自由に陶芸を楽しむことができます。

もちろん初心者には、講師として若き陶芸家たちが指導をしてくれます。
入会金が10,000円に12,000円の月会費(月4回)と粘土代1,000円(1キロ)で、おもいおもいにを土を捏ね、土と向かい合うことができるというわけです。

そしてさらには、彼ら若き陶芸家たちが華々しく世に出た暁には「あいつ、俺が面倒見てやったんだぜ」などと偉そうなことを酒場で言う権利まで付いてくるというシステムです(あくまで勝手な想像)。

 

各曜日ともに定員に近い状況らしいので、気になった方はいますぐお問い合わせを。

 

 

ちなみに取材に訪れたその日は「子ども陶芸体験」を開催していました。
渋い趣味人たちが土をこねこね、みたいな光景を想像してうかがいましたが、なんともほんわかした取材になりました。

 

ちなみに「子ども陶芸体験」は最近始めたばかりで、まさにメンバー募集中なうです。

現段階(2017年6月末時点)では2017年7月9日(日)10時〜12時、7月23日(日)10時〜12時の開催が決まっているそうですよ。

 

こちらがチラシ(画像をクリックすると拡大表示します)。

子ども陶芸体験チラシ

白紙舍の子ども陶芸教室

子どものクリエイティビティを伸ばす!とかそういう深い意図がなくっても、ただ集中力を身につけることを目的にして行ってみるだけでも、得るものは大きいと思います。

なんせ取材してたら「高田馬場新聞さんも土こねていきなよ」とK氏に誘われて、生まれて初めて土をこねこねし始めたら、取材も忘れて2時間くらいこねこねしちゃってたくらいなのです。

 

そのため子供たちの写真、作り始めと終わりらへんしか撮れていません!!

白紙舍の子ども陶芸教室

まず、土をこねて土台を作ります。

白紙舍の子ども陶芸教室

その土台の上に、土を細なが〜く伸ばしてぐるりぐるりとまわりにのせて行きます。

土をのばして順に重ねていきます。

このぐるぐるが側面になると、そういうことですね。

重ねて土のをこすって一体化

なんとなくフチを作ったら、土と土の境目をコスコスとすり込んで一体にしていきます。

重ねて土のをこすって一体化

この作業をひたすら繰り返すと、湯飲みやぐい呑みや茶碗ができていくわけですね。

切り離し

できあがったら、ろくろから作品を切り離します。

この瞬間、ちょっと緊張します。

うまくできたかな

なんかちょっと達成感あるよね。

 

こだわって作ってます

女の子はお花の型押しをするなど、女子力発揮してました。

型をつけて

どんなできあがりになるのでしょうか。
釉薬をかけて焼くのはまた後日。

うまくできた!

高田馬場新聞も、子どもたちに負けず劣らず熱中してしまいました。

このあと、子どもたちはお昼休憩に入ったので、その間に先生の指導を受けて自分の分を完成させちゃいました。

高台を作ります

底を削り出して、高台という湯呑みの脚のような部分を作りました。

高田馬場新聞の湯呑み

できあがりが楽しみです。

 

 

ここから未来の陶芸家が生まれる日を楽しみにしつつ、土と向き合うひとときを過ごすというのもなかなかできない体験でしょう。

入会の可否はまず一度お問い合わせを。
子ども陶芸体験も募集中です。

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DATA
陶芸空間 白紙舎
住所   新宿区高田馬場3-40-20
電話番号  03-6279-1003(金・土・日のみ)

金曜日・土曜日・日曜日、10時~18時の間で、お好きな時間に利用可能。
一般会員   入会金:10,000円
月会費:12,000円
粘土代:1,000円(1㎏)※焼成費込
学生会員   入会金:無
月会費:6,000円
粘土代:1,000円(1㎏)※焼成費込
会員のお子様で小学生以下のお子様(2人まで)は、粘土代のみで利用できます。

詳しくは白紙舎Facebookページをご覧ください。

 


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